唯一の存在。
ある意味孤独というか、なんというか。
少し寂しい存在ですが、鉄道車両だと注目されがちで、かなり人気が高いような。
2020.6.18 1729A 209系千ケヨ34編成
京葉線の209系。
そもそも京葉線に209系が投入され始めたのは2008年のこと。京浜東北・根岸線で活躍していたグループのうち、4編成が京葉線にやってきました。
2008年当初、京葉線では201系の分割編成が4本(K1+51〜K4+54)、固定(厳密には中間に先頭車を封じ込めているが分割しない)編成が4本(70〜72・74)、205系19編成(1〜12、21〜27)、そしてE331系1編成(AK-1)と28編成が存在していました。このうち、201系の固定4編成を209系で置き換えたのが始まりです。
その後、205系のうち2編成が武蔵野線向け5000番台捻出のため転用、26編成体制となった後、E233系5000番台の投入が始まりました。
さて、このE233系5000番台が肝心となってくる訳ですが、投入予定本数は固定編成21・分割編成4に対し、実際に製造されたのは固定編成20・分割編成4でした。
2020.3.10 1735A E233系千ケヨF53編成+E233系千ケヨ553編成
快速誉田行き @新習志野
分割可能の編成は予定通り4編成製造され、残存していた201系4編成すべてを淘汰することができた一方で、固定編成は1編成足りない20編成のみとなりました。
残っていた205系は17編成ですので205系の置き換えは完了できますが、置き換え対象だったはずの209系は3本しか捻出ができません。
更に、たった1本だけだったE331系AK-1編成は2011年1月の時点で運用を離脱しており、いよいよ予備車を削減しようにも無理がある状態となりました。
そこで、209系のうち3編成は武蔵野線向けに転用、1編成だけが残るという奇妙な結末を迎えたわけです。
この編成の悲運はといえば、3編成が転用されたのちも京葉線の定期運用に充当し続け、2016年には秋田総合車両センターでの機器更新を施工された上で運用に復帰しているということでしょうか。
しかも、209系1編成だけとは言わず、武蔵野線向けの209系全編成が機器更新の対象となっている関係で、京葉車両センター所属の全編成(2020年時点では京葉線含め12編成)が機器更新完了済となりました。
209系500番台自体、京葉車両センターでは2018年以降になってから増殖するという奇妙な状況下にあり、それも全編成が機器更新で統一されている状況。となれば、京葉線向けの209系は1本しかいないとはいえ、整備メンテナンスの面では全く困らず、乗務員もさほど困る要素がない。となれば、今後もかなり長いこと残るのでしょうね。いずれにしても、当初から京浜東北・根岸線と中央・総武線に投入されてきた209系の中では唯一10両編成で残る編成ですから、人気度はかなり高い現状にあります。
2019.9.11 5614A 209系千ケヨ34編成
通勤快速東京行き @袖ヶ浦
台風15号(令和元年房総半島台風)の通過後、内房線が運休になった兼ね合いで木更津構内に閉じ込められていた編成でした。段階的に運転再開となり、9月11日にようやく姉ヶ崎〜木更津間の運転再開と同時に運用に復帰する形で京葉線直通の通勤快速に充当しました。
と、このように京葉線全線だけでなく、直通先の内房線、外房線にも顔を出します。E233系5000番台の固定編成と運用は共通なので、遭遇は狙わないと難しいかも。
乗れたらハッピーかもしれませんね。
ホントは209系以外もこういう「1本しかない」編成を経緯と共に紹介していこうと思っていましたが、いかんせん長くなるのでまた今度。
ワインレッドの風が吹く
#102