鉄道車両にも「一番」が存在します。これはちょっとした豆知識程度に頭に入れておくとなにかあるかもしれません。いやないと思うけど。
新潟の115系特集6日目にして、「一番」の車両を扱うことになります。
□N-38編成(2017.10.30大宮総出場)
2018.4.14 9431M 115系新ニイN-36編成+115系新ニイN-38編成
普通新潟行き @新潟
JR東日本に現存する115系はすべて1000番台と呼ばれており、寒冷地での運用を考慮した耐寒耐雪強化構造のグループになります。
製造当初、115系は黄かん色に緑2号のいわゆる「湘南色」が採用されており、新潟に残る7編成すべての編成が登場当初は湘南色で落成しています。地域色の概念ができたのもこの形式からではないでしょうか、7編成すべて塗装が違うなんてのも面白いですが、当初は湘南色だけだったというのも信じられないような事実だったりします。
そんな1000番台ですが、1000番台の一番としてクモハ115-1001からなる5連が当時の松本電車区に初めて配置されました。その後中間モハユニットであるモハ115-1001とモハ114-1002は編成を外れ、新前橋区や小山区などを転々としながら、モハ115-1001は先頭化改造される(クモハ115-1562に改番)などして、2014年に役目を終えるまで活躍し続けてきました。
一方で、中間モハユニットを抜いたクモハ115-1001、モハ114-1001、クハ115-1001は編成を短縮した3連となり、長野と松本で転配を繰り返し運用を続けてきました。
幸運と言うべきか2000年にリニューアルが施工され、また長野配置故にATS-Pも装備している、という条件が整っていたこともあり、この編成は新潟地区へ転出することに。2014年の211系転配により余剰車となった後、N-34+N-35、N-36+N-37がそれぞれ併結した状態で第1回、第2回の転属回送を行ったのに対し、この編成だけは2014年6月に単独で新潟へ回送されました。
これまで紹介してきた前例通り、長野からの転入編成であるため、運用開始当初は長野色でした。
が、この編成もリニューアル施工済であることから通例通り三次新潟色への塗装変更が行われ、新潟地区らしい姿になりました。
その3年後、大宮総出場と同時に、現在の姿である湘南色へ塗り替えられました。
1000番台の「一番」の車両が、これまでに信州色、長野色、三次新潟色と塗り替えられた後に、登場当初の湘南色に戻る、すごいことじゃないでしょうか?
新潟支社の遊び心に脱帽です。
2017年の出場後、新潟駅高架化でATS-P非搭載の115系が全廃した中、先述の通りこの編成はATS-Pが搭載されており当然のように残存、結果的にJR東日本で最後の湘南色の編成になりました。
1000番台の一番最初に登場した当編成、1977年の落成から数えると今年で既に43年経過するのですが、未だに定期運用をこなす「ヤバい」存在です。
本来なら古い編成ほど新型車両に置き換えられるはずなのに、1000番台特有の耐寒耐雪強化構造やATS-P搭載、更にはリニューアル工事が施工済という条件が拍車をかけることになり、結果的に最後に残存するグループになってしまいました。ある意味感動モノですね。
しかし、よる年波には勝てず、不調で運用を外れることもしばしば見られるようになりました。
最終検査が2017年ということもあり、次回の検査は来年。大きなターニングポイントを迎えることになりそうです。
幸か不幸か、ここまで生き延びてしまった同編成、このまま最後まで走り続けて欲しいものです。
2019.1.5 3371M 115系新ニイN-38編成
冬の荒れた日本海を脇目に。
40年近く同じ景色が見られ続けたのも、もうすぐおしまいか。
1stでlast
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