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2020.8.13 168F 313系海カキR105編成+313系海カキR109編成
普通豊橋行き @岐阜
さて今回はその「青春18きっぷ」とワープを駆使して、安く旅行を楽しみつつ、普段なかなか通れないようなルート案を考えてみようと思います。
今回は飯田線。飯田線とは愛知県豊橋市から長野県上伊那郡辰野町を結ぶ、JR東海の地方交通線になります。
愛知・静岡・長野の3県を越えて走破し、飯田線としては195.8km92駅を計上することになります。地方交通線としては国内最長規模……とはいえ、200kmを超えていないので北海道の宗谷本線、石北本線と比較すると大したことは無いと思われがちです。
しかし、JR東海管内では最長であり、JR全社の中でも3位の営業キロを誇るローカル線です。
詳しくはこちらを。
そんな飯田線全線踏破できるプランを考えてみようと思います。
①飯田線に行くまで
青春18きっぷには「JR全線の普通列車および快速列車」に限って乗り放題という第1前提が存在します。
それを念頭に置いて考えるとすれば、飯田線全線踏破を目的にするしないに関わらず、起点の豊橋か終点の辰野まで行く必要があります。
というかそもそもの話、飯田線自体が秘境路線と言われており、全線でJR他線との接続がある駅は豊橋か辰野の2駅のみ。となると必然的にどちらかを選んでスタートする必要があります。
②飯田線、1本で乗り通すか、何本か乗り換えるか。
飯田線は全長195.8kmと非常に長い路線です。当然のように全線通して運転される列車は希少な存在で、1日通して何本あるのか確認してみると、次の通りでした。
10時42分発 519M(中央線辰野支線直通・岡谷行き) 398分(岡谷終着411分)
14時42分発 531M(中央線辰野支線直通・岡谷行き) 403分(岡谷終着415分)
16時42分発 539M(中央線辰野支線・中央東線直通・上諏訪行き) 354分(上諏訪終着380分)
B.辰野→豊橋方面(上り・辰野基準)
9時59分発 544M(中央東線上諏訪始発・辰野支線経由) 391分(上諏訪始発413分)
15時58分発 568M(中央線辰野支線岡谷始発) 356分(岡谷始発368分)
16時48分発 570M(中央東線上諏訪始発・辰野支線経由) 361分(上諏訪始発382分)
以上、3往復。これだけです。
バラツキこそありますが、大抵豊橋〜辰野間は6時間半前後。そして全線を通す列車はすべて岡谷・上諏訪方面へ乗り入れます。
これ以外の列車は大抵、途中駅止まりになります。
豊川、長山、新城、本長篠、中部天竜、水窪、平岡、天竜峡、飯田、伊那大島、伊那松島、駒ヶ根。
とにかく途中駅でのブツ切りが多いです。
また、青春18きっぷでは乗車できない特急「(ワイドビュー)伊那路」といった特急列車も存在しますが、これも飯田止まり。全線通しで乗れる列車は普通列車のみ3往復と希少です。
③飯田線に乗ってみよう
ここまでの予備情報を頭に入れた上で、今回はまず豊橋か辰野まで東京・大阪の各大都市圏を6時以降に出るルートから練っていきます。
6時以降という縛りをつけた理由としては、東京の初電や大阪の初電で向かう、なんてことが全員にできるかというと不可能ですし、どこの大都市圏にしても初電に乗れば6時に東京や大阪へ間に合うパターンが多いからです。
ワープありなし両方の観点からやっていきます。
③-1-1A 東京圏→豊橋(ワープなし)
東京を6時以降に出る前提になりますので、東京圏各線の初電を駆使すれば難しくはないと思います。
東京0605※〜(東海道線729M)〜0759熱海0802〜(東海道線1431M)〜0920静岡0921〜(東海道線747M)〜1032浜松1046〜(東海道線933M)〜1119豊橋
※…休日は0610発、列番、行先、着時刻は変わらず。
朝6時にまっすぐ向かうと11時19分、先述の豊橋発岡谷行き普通列車は10時42分発なので、乗り継ぐことができません。
この場合順当に乗り継ぐとすれば11時27分の豊川行きになりますが、これではとても終点辰野まではむかえません。
というか、このあとまともに辰野を目指す場合は次の列車が終点先着になります。
豊橋1342〜(飯田線527M)〜1716天竜峡1718〜(飯田線237M)〜1950辰野(岡谷まで直通)
見てわかる通り、豊橋で2時間半近くもの無駄な時間が発生します。人によっては、これより前の列車で途中駅へ向かって散策して〜といった形も取れますが、目的としては飯田線を踏破すること。辰野から先のプランによってはこれだと難しいのかもしれない。
2018.6.1 2539Y E231系宮ヤマU501編成
普通逗子行き @北鎌倉
③-1-1B 東京圏→豊橋(ワープあり)
東京0630〜(東海道線1521E)〜0820熱海0823〜(東海道線1425M)〜0841沼津0844〜(東海道線935M)〜0938静岡0952〜(東海道新幹線「こだま」709号・709A)〜1035豊橋
東京6時半に出ても間に合う。もちろんもう少しゆとりは欲しいが。
熱海〜豊橋間では運賃が3,060円、そこに特急料金を加算する形となるため、予算に合わせて乗る区間を調整するといいかもしれない。
ちなみに「予算に合わせて」とはいえこれが最低ライン。静岡〜豊橋で新幹線ワープだと4,510円。仮にこれが熱海から楽をしようとした場合、5,940円。だいたい1,500円の差なので、時間に余裕を持たせたいなら熱海から「こだま」を使ってもいいかもしれない。その場合、東京発7時1分と非常に余裕を持つことができる。
ちなみに、豊橋で確実に座りたい場合もう少し早めに着いた方がいい。というのも、ダイヤが変わっていなければこの普通列車519M、313系3000番台(大垣車)のR編成2両の運用なので、18きっぷシーズンは座れない可能性が比較的高い列車になる。いっそ予算に余裕があるなら東京から「こだま」に乗ってみるのが早いかもしれない。
2020.7.12 9295A N700系type-S(N700S)幹オサJ2編成
「のぞみ」295号 @品川〜新横浜
③-1-2A 大阪圏→豊橋(ワープなし)
(平日)大阪0633〜(東海道線(JR京都線〜琵琶湖線)新快速3400M)〜0801米原0803〜(東海道線200F)〜0837大垣0840〜(東海道線新快速2316F)〜1009豊橋
(休日)大阪0621〜(東海道線(JR京都線〜琵琶湖線)快速702M)〜0806米原0825〜(東海道線新快速5316F)〜1028豊橋
平日休日ともに時間が変わるので注意。とはいえどちらの列車も大阪始発で、西明石からの普通列車100C京都行き(西明石0445発)から乗り継げるので、かなりの広範囲から余裕を持って乗車できる列車になっています。
一方で、米原からの乗り継ぎも大きく異なり、平日は米原から普通列車を2分も待ったあと、大垣で更に3分待って新快速で向かう形になり、豊橋到着時点でだいぶ余裕がある。これより遅い列車だと米原乗り継ぎが30分先になるので、乗り継ぎができない。
これに対し休日は米原からの直通があり、豊橋到着時点でもそれなりに余裕を持って到着できる。平日休日ともに比較的やりやすい。
③-1-2B 大阪圏→豊橋(ワープあり)
(平日)ワープなしで大幅に余裕あり
(休日)大阪0621〜(東海道線(JR京都線〜琵琶湖線)快速702M)〜0806米原0833〜(東海道新幹線「こだま」708号・708A)〜0902名古屋0916〜(東海道線特別快速5104F)〜1009豊橋
そもそもワープ使わないでも間に合うんだから、いらないだろうって思われるかもしれませんが、そんなことはなくて。着席したい、余裕が欲しいならワープという手段は大事になってきます。
平日はかなり余裕がありますが、休日は平日ほどの余裕がないので、米原から名古屋までワープ。とはいえ、東京側ほど難しくはありません。
2020.8.14 2122F 313系海カキY105編成+313系海カキY44編成
③-2-1A 東京圏→辰野(ワープなし)
(平日)東京0612〜(中央線中央特快653T)〜0710高尾0742〜(中央東線523M)〜1013小淵沢1045〜(中央東線433M)〜1141岡谷1228〜(中央線辰野支線・飯田線直通214M)〜1239辰野(天竜峡まで直通)
(休日)東京0603〜(中央線中央特快695T)〜0701高尾0706〜(中央東線521M)〜0838甲府0853〜(中央東線431M)〜1038岡谷1046〜(中央線辰野支線・飯田線直通1412M)〜1059辰野(天竜峡まで直通)
平日と休日で雲泥の差があります。言うまでもなく、高尾での乗り継ぎが大きな原因になりますが。
どちらも、岡谷では飯田線直通の普通列車天竜峡行きに乗り継ぐ構成ですが、一本で行ける列車には乗り継げません。
2020.6.7 1550M 211系長ナノN317編成
普通上諏訪行き @長野
③-2-1B 東京圏→辰野(ワープあり)
(平日)東京0612〜(中央線中央特快653T)〜0653立川0655〜(中央東線1453M)〜0750大月0756〜(中央東線特急「あずさ」1号・1M)〜0913上諏訪0922〜(中央東線・辰野支線・飯田線直通544M)〜0935岡谷(豊橋まで直通)
(休日)東京0603〜(中央線中央特快695T)〜0643立川0653〜(中央東線1453M)〜0748大月0756〜(中央東線特急「あずさ」1号・1M)〜0913上諏訪0922〜(中央東線・辰野支線・飯田線直通544M)〜0935岡谷(豊橋まで直通)
大月〜上諏訪間で特急ワープを活用すると、ありえないほど綺麗にピッタリ飯田線直通の544Mに乗り継げます。全車指定ながら、スワロー料金による新体制が確立された特急なので、事前料金として券を購入しておけば1,580円と割とお安めになります。運賃を加算して3,560円。悪くないのでは?
2020.2.16 5003M E353系長モトS110編成+E353系長モトS201編成
特急「あずさ」3号 @市川〜船橋
③-2-2A 大阪圏→辰野(ワープなし)
(平日)大阪0633〜(東海道線(JR京都線〜琵琶湖線)新快速3400M)〜0801米原0803〜(東海道線200F)〜0837大垣0840〜(東海道線新快速2316F)〜0914名古屋0924〜(中央西線快速2707M)〜1039中津川1200〜(中央西線1831M)〜1349塩尻1419〜(中央線辰野支線160M)〜1440辰野
(休日)大阪0621〜(東海道線(JR京都線〜琵琶湖線)快速702M)〜0806米原0825〜(東海道線新快速5316F)〜0929名古屋0946〜(中央西線快速5711M)〜1107中津川1200〜(中央西線1831M)〜1349塩尻1419〜(中央線辰野支線160M)〜1440辰野
大阪から8時間かけて辰野まで。名古屋から中央西線経由になるため、若干の遠回りは避けられませんが、これはひどい。中津川の接続が劣悪すぎる。
③-2-2B 大阪圏→辰野(ワープあり)
(平日)大阪0633〜(東海道線(JR京都線〜琵琶湖線)新快速3400M)〜0801米原0812〜(東海道新幹線「ひかり」640号・640A)〜0843名古屋0900〜(特急「(ワイドビュー)しなの」5号・1005M)〜1053塩尻1103〜(中央東線436M)〜1113岡谷1228〜(辰野支線・飯田線直通214M)〜1239辰野(天竜峡まで直通)
(休日)大阪0621〜(東海道線(JR京都線〜琵琶湖線)快速702M)〜0806米原0812〜(東海道新幹線「ひかり」640号・640A)〜0843名古屋0900〜(特急「(ワイドビュー)しなの」5号・1005M)〜1053塩尻1103〜(中央東線436M)〜1113岡谷1228〜(辰野支線・飯田線直通214M)〜1239辰野(天竜峡まで直通)
東海道新幹線「ひかり」と特急「(ワイドビュー)しなの」のコンボを使えば2時間カットできます。
ただし、新幹線自由席を使っても7,000円前後と「ワープ」にしてはお高め。
④総評
飯田線は確かに魔境だが、そこに向かうまでもかなり苦労することがよくわかります。
特に、普通列車縛りなんてやっていたら東海道線の静岡地区や中央東線で大きく時間をロスすることになります。余程時間に余裕を持って行程を組まなければ到底楽しめません。というか本来の目的飯田線なのにそこまで時間かけちゃうと楽しめる労力残ってないよね。
特急や新幹線を上手に活用して、飯田線を楽しみましょう。
Twitterのフォロワーさんとの会話で飯田線踏破とかいう突拍子もないことを研究してブログにまとめあげましたが、今後シリーズ化していろいろなローカル線を巡ってみたいなんてちょっと思いました。それでは。
魔境に向かうなら朋が必要だ
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